緑内障の患者数は多く、60歳以上の1割がかかると言われています。
日本人が失明する原因の1位である緑内障は、早期に発見してすぐに治療を開始することで、見え方を保てる病気です。
ここでは緑内障で視野が狭くなる原因や症状、当院で受けられる検査方法などを紹介します。
緑内障とは?
緑内障は視野が狭くなる病気で、視力は最後の方まで悪くなりません。
ここでは緑内障の視野について、どこから悪くなっていくのかという見え方のパターンを紹介します。
<緑内障の視野パターン>
緑内障の症状が進行すると、視野が狭くなる「視野狭窄」や、見えない部分ができる「視野欠損」といった視野障害が起こります。
症状の進行段階は、初期、中期、後期に分けられます。
初期
緑内障の初期段階は、周辺の視野の一部が欠けていきます。
視力に関係する中心のところは末期まで保たれることが多いです。
ただし片方の目に症状があらわれていたとしても、もう片方の目が正常な場合には視野をカバーしてしまうため、初期症状はほとんどありません。
自分で気づくのは難しく、定期検査など眼科を受診してはじめて見つかる場合があります。
中期
緑内障の症状が進行すると、視野の欠けている部分が少しずつ増えてきます。
この段階まで症状が進行すると、視力低下やぼんやり感、夜になると見えにくくなるなどの症状があらわれます。
後期
症状がかなり進行した状態です。
まるで、すりガラス越しの窓から外を見ているような状態にまで視力が低下します。
「歩いているときに人や物にぶつかる」、「転倒してしまう」などの場面が増えて、症状がさらに悪くなると失明する可能性もあります。
緑内障の視野が悪くなっていく進行スピードは、たいていは数年単位とゆっくりです。
何年~何十年という時間をかけて、少しずつ変化していきます。
ただし突然の急激な目のかすみ、嘔吐、頭痛といった症状には注意が必要です。
これらは「急性緑内障発作」と呼ばれている病気で、症状によっては一晩で失明するリスクもあるのです。
緑内障の視野が悪くなると、回復させることはできません。
早期発見・早期治療により症状の悪化を防いで視野を保つことが大切です。
緑内障の原因と種類
ここでは緑内障の代表的な原因と緑内障の種類について紹介します。
眼圧が高くなり、視神経が障害される
緑内障は、主に眼圧が上昇することで視神経が障害されて起こる病気です。
眼圧とは、眼球を丸い形に保つために必要な圧力のことです。
眼圧は房水と呼ばれる水分の働きによって、一定に保たれています。
「房水を過剰に作りすぎる」、「房水の排出がうまくいかない」などが原因で房水の量が多くなりすぎたときに、眼圧が高くなり緑内障の症状が起こります。
例:原発解放隅角緑内障、原発閉塞隅角緑内障
眼圧は正常だが、視神経が障害される
眼圧が正常なのに、なぜか視神経が障害されてしまう緑内障もあります。
日本人に多く見られるタイプの緑内障ですが、はっきりとした原因は不明です。
視神経そのものが眼圧に対する抵抗力が低いため、視神経に障害があらわれやすいのではないかと考えられています。
例:正常眼圧緑内障 上記以外にも、ケガや病気、ステロイド薬などの影響で眼圧が上昇して起こる「続発緑内障」や、先天的なものが原因で起こる「発達緑内障」などの種類があります。
緑内障のセルフチェックと当院の検査方法
緑内障は、自覚症状に乏しい目の病気です。症状に気がついたときには、すでに悪くなっていることも珍しくはありません。
セルフチェックや定期検査で早期発見を目指しましょう。
(※セルフチェックは病気を診断する方法ではなく、あくまで目安です。)
<自宅でできる視野チェック>
本格的な検査ではありませんが、セルフチェックで違和感がないかを確認してみましょう。
手軽にチェックするための「ノイズフィールドチェック」や「クロックチャート」、「FDTチェック」などの方法を活用してみましょう。
詳しいチェック方法については「当院のコラム」をご覧ください。
<当院の専門的な検査>
セルフチェックで異常が見つからなかった方でも、定期的な検査を受けることで緑内障の早期発見に役立ちます。
自覚症状がない方も積極的に受けるようにしましょう。
当院では「眼圧検査」、「視野検査」、「隅角検査」などの検査により、緑内障の専門的な検査をしています。
各検査の詳しい内容については「当院のコラム」をご覧ください。
緑内障が気になる方は、はりの眼科へ
緑内障は視神経が障害されて起こる病気です。
一度でも視神経が障害されてしまうと、視野障害が進行して失明のリスクもあります。
緑内障の治療は、早期発見・早期治療により症状の進行速度を遅くするのが大切です。
当院の緑内障治療では、目薬、レーザー、手術などで治療をしています。
今回紹介したような緑内障によくある見え方をしている方や、見え方に違和感がある方は、ぜひ当院までご相談ください。