白内障は、目の中にある水晶体というレンズの役割をしている部分が白く濁ってくる病気です。

主に加齢によって起こる症状であり、主な治療方法は白内障手術です。

 

ここでは、白内障の手術について知っておきたい基礎知識を紹介します。

白内障手術の失敗が不安な方は、ぜひご一読ください。

 

白内障手術の安全性

白内障の手術では、混濁した水晶体を手術によって取り除き、人工眼内レンズを挿入します。

医療技術の進歩により、短時間の手術と患部の小さな切開により、患者様の負担が軽い手術といえるようになってきました。

 

そのため、近年の白内障手術は、ほとんどの患者様にとって視力を回復できる安全な手術といえるでしょう。

ただし、一部の患者様には術後合併症が生じるリスクも残っています。

 

白内障手術のリスク

白内障手術後には、合併症が起こるリスクに注意しましょう。

 

細菌性眼内炎

手術直後は問題なくても、術後3~7日になってから「急に物が見えにくくなる」、「強い痛みが出てきた」、「ひどい充血が生じた」ときには、細菌性眼内炎かもしれません。

治療をせずに放置していると、失明の危険性がある疾患です。

治療を開始するため、すぐに当院までご連絡ください。

 

後発白内障

手術をしたのに、数か月~数年が経過したときに「目がかすむ」、「光をまぶしく感じる」など白内障に似た症状を感じることがあります。

 

これは手術の時に、眼内レンズを固定するために残しておいた水晶体の一部が混濁したためです。

レーザー治療で混濁した部分を取り除けば、視力はすぐに回復できます。

このような症状に気がついたときには、お気軽に当院までご連絡ください。

 

白内障手術で失敗したと感じるときは

白内障手術後に気になる症状があらわれたときには、失敗したのではないかと不安に感じるのではないでしょうか。

白内障手術後には、それまでとは違った見え方をすることがあります。

ここでは、代表的な手術後の症状と対処方法について紹介します。

 

<手術後の症状と対処法>

 

まぶしさを感じる

手術前には白く濁っていた水晶体が、手術後に透明になることで起こる症状です。

手術直後には強いまぶしさを感じる方もいますが、時間が経過するにつれて少しずつ症状がおちついてきます。

どうしてもまぶしさが気になるときには、サングラスを利用するとよいでしょう。サングラスを使用しても、まだまぶしければ、遮光眼鏡という特殊なめがねもありますので、ご相談ください。

 

青く見える

水晶体は、加齢によって透明だったものが黄色へと自然に変化します。

水晶体が黄色くなると、青色の波長が見えにくくなります。

そのため、手術前に比べると青く見えてしまうと感じる方もいるのです。

 

とくに片目を手術した人にあらわれやすい症状です。

時間が経過するにつれて少しずつ症状がおちついてきます。

青色が気になる方は、サングラス(とくに薄い茶色のもの)を利用するとよいでしょう。

 

黒いものが飛んで見える

チラチラと黒いものが飛んで見えるようになるのも、手術後にあらわれるかもしれない症状です。

目に入る光の量が増えると、硝子体にある混濁が影として見えてしまうのです。

ほとんどの場合、時間が経過するにつれて少しずつ症状がおちついてきます。

ただし、網膜剥離など病気の前兆としてあらわれることもあるため、検査を受ける方がよいでしょう。

 

視野に雲や光のようなものが見える

手術後は、視野に雲や光のようなものが見えるかもしれません。

これは眼内レンズに反射して、光が視野の周辺へ広がったために起こります。

時間が経過するにつれて、ほとんどの方が気にならなくなります。

夜間にお車を運転する方は、手術前にご相談ください。

 

左右で見え方が違う

片側の白内障を手術しても、乱視が残っていると、左右で見え方が異なると感じるかもしれません。

ほとんどの方は、メガネを使って乱視を矯正することで違和感が少なくなるはずです。

しかしごく一部の方は、眼内レンズの度数が目にあっていないこともあります。

 

メガネをつけても違和感が改善されないときには、一度ご相談ください。

このように、手術後に失敗したのではないかと感じるような気になる症状があらわれたときには、いつでも当院までご相談ください。

 

白内障手術の失敗を防ぐ方法

白内障手術で失敗したと感じないためには、いくつかの方法があります。

まずは白内障の手術を受ける前に、担当の医師とよく相談しましょう。

 

生活習慣や年齢などにより、挿入する人工眼内レンズの種類や手術内容などは一人ひとりで異なります。

服用中の薬や治療中の病気がある方は、忘れずに医師へ伝えるようにしましょう。

 

日帰り手術の場合は、手術後すぐに日常生活へと戻れますが、必ず医師の指示を守って生活してください。

決められた時期に再診を受けることで、手術後に症状が変化したときでも対応しやすくなります。

また処方された点眼液は、用法・用量を守って使用しましょう。

 

さらに今回紹介したような症状に心当たりがあるときには、症状が悪化する前に、医師に相談するように心がけるとよいでしょう。

白内障手術を検討されている方は、「白内障手術のページ」をご覧ください。

また、白内障手術のレンズ選びについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

 

白内障の日帰り手術なら、はりの眼科へ

安全だと考えられている白内障手術ですが、合併症のリスクはあります。

手術が失敗したかもしれないと不安に感じるような症状が術後に起こる可能性も考えられます。

術後に気になる症状があらわれた時には、当院までお気軽にご相談ください。

 

【はりの眼科院長 張野正誉 監修】