日本人が失明する原因として、一番多い目の病気は緑内障です。

40歳以上の20人に1人、60歳以上の10人に1人が緑内障になると言われており、患者数も多い病気です。緑内障は、早期に発見して適切な治療を受けることで視力を維持できます。

「緑内障予備軍(前視野緑内障)」とは、専門的な検査で異常が見つかっても、視野検査では異常がない方のことです。

このページでは、緑内障予備軍についての特徴や症状、予防、検査方法などを紹介します。

 

緑内障予備軍とは

ここでは緑内障予備軍になりやすい人や症状について紹介します。

 

<緑内障予備軍になりやすい人の特徴>

  • 40歳以上の方
  • 親族に緑内障の人がいる方
  • 近視や遠視がある方
  • 高血圧の方
  • 糖尿病の方
  • 喫煙している方
  • ステロイド薬を使用している方

 

<緑内障予備軍の初期症状>

緑内障は、長い時間をかけてゆっくりと進行していく病気です。

このとき、もし片方の視野で見えないときでも、もう片方の目が視野を補ってしまいます。

そのため初期段階の自覚症状はありません。視野の異常に気がついたときには、病気がすでに進行してしまっている場合もあります。

 

また緑内障の前段階である緑内障予備軍も、自覚症状はありません。

たとえば検査で視神経の萎縮が起こっていても、視野検査で異常が起こらない場合は緑内障予備軍の可能性があります。

 

緑内障予備軍の予防はできる?

緑内障の9割以上は原因が不明のため、直接的な予防は困難です。

ただし、少しでも緑内障予備軍にならないための予防に取り組みたいという方は「生活習慣の改善」や「眼科の定期受診」を心がけましょう。

 

生活習慣の改善

生活習慣病である高血圧や糖尿病がある方は、まずは生活習慣の改善を試してみましょう。

バランスのよい食生活や、適度な運動、十分な睡眠をとれるように日々の生活を見なおしましょう。

 

また喫煙は、緑内障以外にもさまざまな病気の原因になることが知られています。

健康が気になる方は、この機会にぜひ禁煙に挑戦してみましょう。

 

眼科の定期受診

40歳以上の方は緑内障にかかるリスクが高いため、定期的な眼科受診をオススメします。

また20代~30代であっても検査で異常が見つかる場合もあるため、緑内障予備軍が心配な方は専門的な検査を受けてみるとよいでしょう。

 

緑内障予備軍の検査とは

ここでは当院で受けられる緑内障予備軍の検査について紹介します。

 

OCT検査

視神経乳頭や網膜の厚みや構造などを調べる検査です。

この検査では、一般的なCT検査のように断層像を撮影できます。

初期の緑内障であっても発見できる検査です。

 

眼底検査

網膜や視神経、血管などの状態を調べる検査です。

緑内障は視神経乳頭に異常があらわれるため、その部分に異常がないかを確認します。

 

眼圧検査

眼圧とは眼にかかっている圧力のことで、わかりやすくいうと眼の硬さのことです。

眼圧が高いときには視神経の細胞が障害を受けるため緑内障になりやすく、病状も進行しやすくなります。

眼に直接機器をあてて計測する方法と、圧縮した空気を眼にあてて計測する方法があります。

 

視野検査

目で見える範囲(視野)を調べる検査です。視線を動かさないように前を向いた状態で、どのぐらい周囲が見えているかを調べます。

見えていない部分があると、それだけ緑内障の病気が進行しているかもしれません。

さらに詳しい内容については緑内障検査の方法は?をご覧ください。

 

緑内障予備軍の検査・治療は「はりの眼科」へ

緑内障予備軍(前視野緑内障)は自覚症状に乏しく、専門的な検査を受けなければ異常を見つけることが難しい病気です。

40代以上になったら、定期的な眼科受診をして緑内障予備軍の早期発見に努めましょう。

また20代~30代の方でも緑内障予備軍が心配な方は、専門的な検査を受けてみるとよいでしょう。

 

当院では複数の検査によって緑内障予備軍の発見に努めています。

健康診断などで緑内障予備軍の疑いがあると言われたときや、当院の各種検査で緑内障予備軍だとわかったときには、眼圧を下げる効果のある目薬による治療も受けられます。

緑内障予備軍が心配な方は、お気軽にご相談ください。

 

はりの眼科院長|張野正誉 監修